借入金のお話し 第104回
いかに借入を有利に進めるか、という話をしています。
今回は前回に引き続き役員報酬の見直しについてです。
役員報酬の特徴は定時定額であるという事です。
実はこれがやっかいで当事務所のお客さんの中でも毎月の役員報酬が支払いきれずに一部が未払金となってしまっている所もあります。
そしていつまでも未払金をためるわけにもいかないので未払金から借入金にかえたりしています。
そうすると貰ってもいない給料なのに所得税はかかるし、社会保険料もかかってくる、という事態がおきます。
これはもったいない。
思い切って年度の始めに下げてしまった方が良かったというパターンです。
しかもこのパターンはもう1つ大きな問題を秘めているのです。
この未払金や借入金を将来的にしっかり回収していれば良いのですが、えてしてそのまま残ってしまいます。
「借入金を返す」という事は資金繰りを圧迫しますし、どうせ支払うなら金利がかかる金融機関の借入金の方を優先的に返済する、と考えるのが普通でしょう。(注。役員からの借入金に一定の利息を支払う事は認められています。ただし役員に対しては金利を付けていない会社がほとんどです。)
稲葉孝の『週間得する税務講座』|2010年7月27日