地震にまつわる税務の話 その19
雑損控除の特例が決まっていますのでその案内をします。
雑損控除については以前触れましたがもう一度簡単に説明しますと、災害により住宅や家財等に被害を受けた時、その一定額を所得の金額から差し引くことが出来るという制度です。
もし、1年で引ききれない場合は、その後、3年の間に引いて計算することが出来ます。
ただし、その差し引き計算をするのはその被害のあった年の分からです。
ですから今回の震災に対する雑損控除は今年の分として来年の申告の中に入れる、ということになります。
しかし、今回の震災については被害が甚大でしかも22年分の確定申告の期限より前に起きています。
これをあくまで来年の申告分として考えると納税もままならないという方がたくさん出てしまうことは明らかです。
また、被災は今年でも、税金は昨年の分だからいくら被害があろうが昨年分の税金はしっかり取る、というのも人道的にどうかと思います。
そこで今年度に限り、特例として今回の災害に関わる損害については昨年の分として計算に入れることが出来るようになりました。
もしすでに雑損控除を受けずに申告しているとしたら遡って申告を直すことが出来ますのでご活用下さい。
稲葉孝の『週間得する税務講座』|2011年8月23日