地震にまつわる税務の話 その20
前回雑損控除の特例についてお話ししましたが、これ以外にもいろいろな特例が設けらています。
その中で実際に使う可能性が高いものをいくつか説明します。
災害損失の7年間の繰越し(法人の場合)
災害により会社の資産に損害を受けた事で赤字になってしまった場合はその赤字を7年間まで繰越す事ができます。
つまり今年の赤字を来年以降の黒字からその赤字が埋まるまで順次差引いていく事ができるという事です。
ただし、7年間で頭打ちとなってしまうので「7年間差引し続けたのにまだ赤字か残った」、という場合でも次の年(平成31年分)にはもう差引く事ができない、という事になります。
青色申告法人は災害損失にかかわらず同様な制度がありますが、この制度は白色申告法人でも適用が受けらる事になります。
実はこの税制は今回の大震災を受けてできた特別ではありませんが、今回は赤字を来年以降に繰越すのではなく前年又は前々年にさかのぼって黒字と相殺し税金を返してもらうという特例が作られています。
次回はその事ににふれます。
稲葉孝の『週間得する税務講座』|2011年8月31日