借入金の話 第133回
何年にもわたり借入にまつわる話をしてきました。
その間にも世の中の金融事情は大きく変わり当然借入事情も変わってきています。
今回は今年最終号となりますので今年の金融情勢を一言でまとめたいと思います。
今年金融に一番大きな影響を与えたのはいわずと知れた東日本大震災です。
当事務所のお客様も一件その余波で倒産を余儀なくされました。
その会社は東北の工場の半導体に関する開発とメンテナンスを行っていました。
納入に向けて千万単位の経費をつぎ込みさて、ここから回収といったところで納入先の工場が流されてしまい、納入が無期延期となってしまったのです。
経費を借入でまかなっていたその会社に他の売上で借入を返済していく体力はありませんでした・・・
直接の影響はなかったにしてもすべての企業に買い控えや地震不況といった間接的影響がありました。
中には特需となった会社もありましたがそれは一部で多くはマイナスの影響でした。
これを受け政府は金融機関の貸付基準を大幅に緩和させ多額の貸付が行われました。
しかし借りた以上は返さなければなりません。
借入がカンフル剤となればいいのですが、ただの延命処置にしかならないとすると数年後には倒産の嵐が吹き荒れます。
そんな事にならないよう来年こそはよい年となる事を願います。