借入金のお話 その168
経営改善計画の内容とその作成手順の話をしています。
今回は「成功の条件」の中の経費の削減についての続きです。
役員報酬の減額を役員借入金を使って行う、という話をします。
経営改善計画を立てる会社、ということはあまりうまくいってない会社、ということですから、資金繰りが苦しいときなど、社長が自分のお金を会社に貸し付けている、ということがよくあります。
そしてそのお金は実際はなかなか返せないですし、元から返してもらうつもりなどない、ということも多いと思います。
その場合次のような手があります。
まず役員報酬を下げます。
例えば月50万円だった役員報酬を一気に月20万円に下げてしまいます。
そしてその減額分を役員借入金の返金という形で支払うのです。
経理的には役員報酬という経費を20万円支払い、役員借入金という負債を30万円減額していく、ということになります。
実際に支払われるのは今までおと同じ50万円です。
逆に正確にいうと所得税の対象となるのは役員報酬の20万円分だけですから役員貸付金を返済してもらう30万円についての所得税分は手取りが増える形になります。
稲葉会計事務所からのお知らせ|2013年6月4日