借入金のお話し 第105回
いかに借入金を有利にすすめるか、というお話しをしています。
今回も前回に引き続き役員報酬の見直しについてです。
役員に対する未払金や借入金はそのままにしておくと大きな問題となる可能性を秘めています。
えてして役員からの借入れ等は借りてそのまま、というパターンが多いものです。
役員からの未払金や借入金は役員からすると未収金や貸付金という資産がある、ということになります。
そのままなら何も問題が起きないのですがその役員が亡くなった時突然大きな問題が生じます。
そう、遺産として相続税の対象となってしまうのです。
仮に社長が亡くなった事を受けてその後会社をたたんでしまったとしても関係ありません。
あくまで社長が亡くなった時点では貸付金という資産があった事は事実ですし、課税上その後の債権が回収できたかどうかは関係ないのです。
確かに、その貸付金が回収できればよいのですが、そんなに長期的期間返せなかった借入金はおいそれと返すことはできないと思います。
となるといわゆる「絵にかいた餅」に多額の税金がかかってこないとも限りません。
しかも役員からの借入金はえてしてどんどん膨らんで行く傾向があるのです。
稲葉孝の『週間得する税務講座』|2010年8月10日